3歳児眼科検診

子どもの弱視をなくしたいと、全力を尽くします

子どもの検診の画像

日本において眼科医療機関で、個別式の3歳児眼科検診は天童市から始まった!

院長と幼児の眼科検診の関わりは南陽市立病院に勤務した30年以上前から始まりました。

当時、3歳児眼科検診制度がなく、ほとんどの子どもは就学時眼科検診で初めての視力検査を受けました。しかし、就学時眼科検診では子どもの年齢が半数以上が7歳であるため、弱視が発見されても、視覚の発育がほとんど完了したため、治療が困難でした。外来で親子、馨院長、看護師が悔しい涙をたくさん流し、このままではいけないと思い、南陽市で一人も弱視を出さないよう講演会や巡回検診を始めました。

当時の南陽市立病院に情熱的な総婦長、大竹久子さん(現在、看護協会の理事)がいらして、大竹さんと共に南陽市の幼稚園に回り、自家用車に眼科医療機器を積んで、市内や山間の幼稚園や保育園に巡回検診をしました。その後、南陽市の市長さんの許可をいただいて、市の検診会場で年1回、南陽市の全4歳児を対象に眼科検診を行ってきました。

この活動は、天童市で菅野馨眼科の開院後も続き、私がとても尊敬している亡き真田知彰先生(真田眼科医院の院長・真田彰郎先生のお父様)と共に毎月1回、視能訓練士や看護師を連れて、重い医療機器を天童市の健康センタ-に運び、4歳児眼科検診を実施しました。その後は市内の他の眼科の先生方も参加し、検診を交代で行い、他の市町村にない素晴らしい検診になりました。

その後、眼科検診の必要性も全国的に認められ、厚生省も平成3年に3歳児健康診査に眼科検診を実施することになりました。天童市では、この機会に4歳児眼科検診から、3歳児眼科検診に移行。その後平成9年に検診の実施母体が都道府県から市町村に移譲され、天童市では平成9年4月から月1回の天童市保健センタ-での検診から、好きな時間に、慣れたスタッフ、揃った医療機器での検査、眼科医が一人一人の子どもを検診できるよう、各医療機関での個別検診に変わりました。

眼科医療機関での個別検診は日本において天童市で始めて実施され、わたしたちはこの検診に貢献できたことを嬉しく思っています。

(多くの市町村で行われている検診方法は、一次検診として家庭における視力検査とアンケート調査、一次検診で異常がある場合、二次検診を保健センタ-などで受け、二次検診で異常がある場合、初めて眼科医療機関を受診します。)

天童市では眼科医療機関で検診を受けた場合、視機能の発達を阻害する目の異常を早期発見、早期治療ができます。
天童市で眼科検診が始まった以後、一般患者様として当院受診した子供のうち、弱視1名のみ発見、これも3歳児眼科検診を受けていなかった子どもでした。

子どもが3歳になりましたら、しっかり眼科検診を受けましょう。

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