近視とは

近視とは、「眼球の形が前後方向に長くなって、目の中に入った光線がピントが合う位置が網膜より前になっている状態」です。近視の原因はいまだ不明ですが、「遺伝的要因」と「環境要因」の両方が関与すると考えられています。環境要因として近業作業の増加、屋外作業の減少が報告されています。スマホやパソコン等のデジタル機器に囲まれている現代社会の環境が近視の急増原因の一つと考えられます。また、近視のうち、特に病的近視では遺伝的要因が強いと言われています。

近視の説明画像

近視は増加しています

近視人口の世界的に増加し、特にアジア系に多く、香港、台湾、シンガポールでは、18歳における近視有病率が80%を超えたことが報告されました。日本では、2019年8月に発表された慶応大学の研究で、東京都内約1400人の小中学生を調査したところ、小学生の近視有病率は 76.5%(強度近視有病率4.0%)、中学生の近視有病率は94.9%(強度近視有病率は11.3%)と他国の既報に比較して近視が多くみられました。(2019年8月15日『JAMA Ophthalmology』に掲載)

2005年度の厚生労働省の報告では、日本における失明原因疾患の第4位に強度近視が挙げられ、近視予防は必要と考えられます。

当院では、近視の進行を抑える治療を開始

当院では、お子様の近視の進行を抑える治療として、「低濃度アトロピン点眼マイオピン」を導入しております。0.01%アトロピン点眼薬を1日1回点眼することで、近視の進行を抑えられると言われています。
新しい治療方法で、自費診療扱いとなります。マイオピン点眼液0.01%は臨床結果に基づいてシンガポールナショナルアイセンター(SNEC)により開発され、アメリカや台湾、また最近では、日本の7大学によるATOM-J 臨床試験により製品の安全性と有効性が証明され、今後さらに普及していく見込みです。

Myopine 0.025%はアトロピン0.025%を含有する点眼薬です。0.01%製剤同様、小児の近視進行を抑制するために使用します。この製品は、香港で行われたLAMP臨床試験に基づいて開発されました。0.01%と比べ、より優れた近視抑制効果を示すことが確認されており、副作用は最小限に抑えられています。

低濃度アトロピンの治療効果

眼球の形が前後方向に長くなって(眼軸長が伸びる)ことで、ピント位置がずれることにより生じます。眼軸長の伸びを抑えることが、近視の進行を抑制するためには重要となります。低濃度アトロピン(マイオピン)には眼軸長を伸展させる働きに関連するムスカリン受容体をブロックする効能があると言われています。

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